体育館で開催した時のこと。
ハードコートの体育館は実力差がはっきり出ます。
まずボールスピードが速い。
次に狭い。足元の技術が重要になります。
クッションのきいた人工芝と違って体の負担(ヒザへの影響)も激しいので中年には厳しい環境です。
チーム分けをした時に戦力が偏りました。
足元のある上手い若者チームと上手くない中年チーム。
私も含めて中年チームの全員がこう思います。
(これはワンサイドゲームでボコボコにされる!)
でもやるからにはなんとか勝ちたい。
上手いドリブルも安定したポゼッションも強力なシュートもない。
でもできることはある。
オフザボール(ボールを持っていない時)の動きです。
攻守で全員がきっちり走る。
攻撃時ではボールホルダーのフォローに動く。
守備時はプレスバック(戻りながらの守備)をしっかりやる。
ドリブラーには複数で挟んで対処。
ゾーンをちゃんと作って穴を出さない。
攻撃時は全員で走りこんでパスコースを増やす。
相手が格上でも、全員が帰陣してしっかりゾーンディフェンスをやれば不用意な失点はしにくくなります。
ボール支配率は圧倒的に負けてましたが、中年チームは危機感を共有してがんばったのでかなりいい勝負に!
この時はすごい楽しかったです。
こうすればウチらでも何とかなる。
そんな意識で通じ合ってチームの一体感がいい感じに。
逆に若者チームは個々の能力は高いのですが、かみ合わずに攻めあぐねています。
全員のポジショニングが整っていなくて、帰陣しない人も目立ち、スペースができたところをカウンターを浴びて失点。
プレスバックもサボりがちになって相手のビルドアップ(ボールを前に運ぶこと)を楽にさせてしまい、ピンチを招きます。
その結果、弱者の中年チームが僅差で勝ちました。
プロでもアマでもレベルも問わずにあるあるですね。
マンUの黄金期を築いたアレックス・ファーガソン元監督の著作によると名監督が徹底していた指示はとてもシンプルなものでした。
「ボールを取られたら帰陣しろ」
プレミアリーグのビッグクラブでもこの基本ができない選手がけっこういたようです。
この名将は、守備を怠ったベッカムに激怒して、スパイクを蹴りつけて顔を縫うほどのケガをさせた事件が有名です。
日本の代表選手でも海外リーグの試合で守備をサボって、監督に呼び止められて激怒された一件がありましたね。
簡単にできることをサボってそれが敗因に直結するから厳重注意されるわけです。
コサル(個人参加)やウチのようなエンジョイミックスではこういうところを怒ってくれる監督やコーチ、キャプテンがいません。
そこが気楽でよいところでもありますが、改善点に気づけない、向上しにくいデメリットでもあります。
プレスバックを怠る人がいるとワンサイドゲームになりやすい。
オフサイドのないフットサルで特にこれが起きやすいです。
オフサイドがないからとゴール前で待ってるだけの人。
ボールを取られても戻らない人。
帰陣しないので数的不利を作ってしまう。
一方的にやられているのに、帰陣せずにボール要求だけして、ドリブルとシュートしか頭にないプレー。
ウチはチームではないので、怒られて交代させられることはありません。
しかし皆で楽しもう!という趣旨のグループですから、少しは配慮して欲しいところです。他の全員が楽しめなくなってしまいますから。
敵がプレスバックをろくにせず、簡単に勝ててもつまらないし、自チームにこれをやらない人がいて、負け続けても楽しめません。
子供たちを見ていても、これを理解している子と理解できていない子では、上達に差が出ます。
守備とはボールを取りに行くことだけだと思っている子が多い。
戻りながらパスコースを切ったり、味方のプレスにあわせてはさんだり、ビルドアップを遅らせる守備の威力に気づけていないわけです。
献身的にプレスバックする人とそうでない人がいれば、献身的にしてくれる人へパスしたくなるのが人情です。
チームで重宝されるか否かにも影響するでしょう。
少し戻りながら走るだけでチームに貢献できますし、ゲームの質を向上させて楽しさも倍増します。
チームを善戦させられるようにできることを心がける。
キックやタッチの精度を上げることは一朝一夕でできません。
でもプレスバックはすぐにできます。
人を楽しませて自分も楽しめるプレーができたらいいですね。
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