昔、料理人と話した時になぜ家庭料理が最高なのかを語ってくれました。
「家庭料理はお母さんが適当に作るから味付けが毎日変わる。だからあきない」
「どんな一流レストランのメニューだって毎日は食べられないもんだよ。うまくても毎日同じ味ならすぐにあきちゃう」
すげー説得力ありましたね。現役の料理人が言うと。
飲食店のメニューは分量を正確に調理される。だから味に変化がない。すぐにあきてしまう。
逆に家庭料理は素人っぽさがよかったりするわけです。素材も調味料も毎日コロコロ変わるのが逆にあきさせない。
外食ばかりしている方が家庭料理に飢えるのもこれですね。
フットサル三田(旧フットサル同好会)の参加者からよく聞く感想は「毎日ぜんぜん違う」。
上手い人が多い上手い日もあればそうじゃない日もある。
参加メンバーが毎回違うのでレベルや雰囲気が激しく変わる。
もし競技チームならここまで日替わりしません。
成人男性のみで、だいたいがフットボール経験者。
チーム方針もあるので、そのプレースタイルに染まっています。
ところがウチは個人参加なので、チームのスタイルがない。
マナーやエンジョイという薄い基本方針はあっても、組織的な戦術要求が一切ありません。
老若男女問わず幅広い層が参加可能なので、子供や女性がいる日もあれば、大人の男性だけの日もあります。
ビギナーも多い。フットサルを全く知らない人もよく居ます。
だから家庭料理なみに出来上がるものが毎回違う。
すっごく上手い日もあって上級者が「楽しかった!!」と喜び、ビギナーが「ついていけない」と嘆く日もあれば、
逆にビギナーが「ちょうどよかった!」とほっとして上級者が(物足りないな・・・)と思う日だってあります。
家庭料理や日替わり定食みたいなものです。
提供されるものが毎回違う。
子供の時に何が出されても「残さず食べなさい」としつけられたことを思い出します。
その変化を毎回楽しむことができるかがプレイヤーとしての度量ではないでしょうか。
しかもうちのホームは湿度の高い山の中の人工芝です。
季節や時間帯や気候によって人工芝が濡れてすべりやすい。
体育館と違って、ピッチのコンディションが激変するのです。
ピッチの状況にあわせてボールタッチを変えたり、すべりやすい足裏の使用頻度を変えたり、工夫が必要になってくる。
そしてメンバーも多種多様なのでそれに合わせられるか?
もし周囲のレベルが自分と合わなくても、自分のプレーを環境に合わせて楽しむことができる人は上手い。
大会で圧倒的な優勝をしてしまうような人たちほどそういう傾向があります。
彼らのガチのプレーを見ると、ふだんのエンジョイでどれだけ周囲に配慮してくれているかがよくわかります。
「毎日フットサルばかりやっていてあきないの? 」
よく呆れたように聞かれます。
あきないよ。毎日同じじゃないもん。
個性豊かな数百人のメンバーは日替わりで現れる。
毎日変わるピッチ環境。
毎回違うその場の雰囲気。
あらゆる要素が毎日違う。
好きなロック曲にこんな歌詞があります。
「どんだけ似てるように見えても昨日と今日は絶対に違う」
レストランのように毎回同じものを提供できるチームじゃないからね、ウチは。
毎回適当に変わる家庭料理ですよ。
だがそこがいい。
味付けが毎回変わる。不安定さこそが魅力。
出されたものを残さずおいしく頂きたいですね。
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