外国人の某元日本代表監督の著書の中で「フットボーラーは理由がないと走れない」という言葉があります。試合で走っている選手は、それぞれ理由を見つけて走っています。ボールにからまないところでもそうで、レベルが上がるほどその理由も複雑に広がります。

 走ることそのものが目標の陸上や走るポイントが明確な野球やテニスとは全く違います。フットボールでは走らない(足を止める、歩く)ところは個人判断であり、理由を見つけているか否かです。

 昔、Jリーグが発足したばかりの頃、プレミアリーグを初めて見て度肝を抜かれました。

(皆が凄く走って激しくあたる!)

攻守でチーム全体が波のように走るのでスピーディーかつダイナミックで当時のJリーグとはまるで別競技のように見えたのです。

世界最高の選手であるメッシは、世界屈指の走らない選手で、その走行距離の短さはチームの負担ですが、異次元の得点力を記録しています。そのメッシに対して実父が「最近はぜんぜん走れていない」とダメ出ししているのが印象的でした。

サッカーでもフットサルでも大人が子供によく「走れ!」と言います。攻撃でも守備でもよく目にする光景です。でもなかなか子供は走れない。「走らなければならない理由」に気づけていないから。

これがボールを追いかける時なら「走る理由」が単純明快なのでみんな走ります。でもボールが来ていない時は「走る理由」に個人差が大きく出ます。

「マークを外す」「スペースに走り込む」「スペースを作る」「パスコースを切る」「味方のプレスに合わせる」「三角形を作る」「ドリブリルで仕掛けた味方のフォローに入る」などなど。走るべき理由は無数にあります。

この走る理由を見つけるのが上手い子は周囲と連携も上手で活躍できる。走る理由が見つけられない子は、上手く連携できずに活躍もできない。

それを見て大人は「走れ!」というわけですがそもそも本人が走る理由を理解できていないのですから、どこにどのタイミングでどう走るか実践できません。効果的に走ることができないせいで、なかなかボールにさわれず、やる気も低下し、さらに動きが悪くなるという悪循環に入ります。

サッカースクールや少年団の練習でミニゲームを見るとこの差が顕著にわかります。

上手い子はなぜ上手いか?

ボールにたくさん触れるから上手くなる。

ボールにたくさん触れるにはボールが来る場所へ効果的に走ること。

それには走る理由を見つけられなくてはならない。「走れ!」と命令されたからではなく。

実はこれ、大人が誰でも経験するダイエットにも言えることです。

大多数の人は「痩せたい!」と欲望を抱きますが、なかなか成功しません。地道なダイエットはサッカーの守備で走るようにキツいことです。守備時に歩く人の方が多いように失敗する人の方が多い。

でもダイエットを成功させている一部の人々は、理由を見つけているからキツくても実践できる。そしてできない人と圧倒的な差がついていく。その焦燥感につけ込むのがダイエット商法で現代の巨大産業です。

実は私もそのダイエット産業のカモで、機材や商材を買っては失敗を繰り返し、エクササイズとさまざまなスポーツに手を出し、最後にたどり着いたのがフットサルでした(笑)

このスポーツはすごい!やり続ければ絶対痩せる!

そう確信しました。ダイエットのためだったので、どんなにヘタクソでミスばかりでも開き直れました。だって走って汗を流せば目的達成ですからね。

でもこれまで手を出しては三日坊主だった他のダイエットと同じようにやめてしまわないか?

そこが問題でした。

走り続けられる理由を見つけねば。

理由はすぐに見つかりました。

しかもいくつも。

そうして今があります。

走る理由を見つけていますか?

フットボールに限らず、人生で頑張れるかどうかはそんなところかもしれません。

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